個室より「居どころ」作り 子ども部屋、どうする?

朝日新聞 2月7日付 弊社住生活研究所所長中村のコメント記載

入学・進級の季節が近づいてきました。
小学校入学を機に、そろそろ子ども部屋を作った方がいいかしら、と迷っている人も多いのではないでしょうか。住まいと子どもをテーマに仕事をしている人に聞くと、個室よりも「居どころ」作りが大事だそうです。

(中略)

「子ども部屋とは何をするための場所ですか?まずは、そこから考えてください」積水ハウス・住生活研究所(京都府木津川市)の中村孝之所長は言う。勉強するためか、遊ぶためか、寝るためか。その部屋で一日も何時間過ごすのか。

住生活研究所が、京都女子大学の片山准教授(インテリア計画)の研究所と共同で、2006年に約1000世帯にアンケートしたところ、住まいの中での子どもの学習場所(複数回答)は、小学校はリビングと子ども部屋の併用が多く、子ども部屋の割合が高まるのは高学年から中学生になってからだった。また、片山さんの集計では、親と離れて独り寝(きょうだい寝)を始める時期は、世帯数が大きいものの、平均すると10歳前後だった。

学習場所としても寝室としても、小学校入学後の数年間は個室の利用度が低いという傾向がうかがえた。

中村さんによると、子どもにとって必要なのは個室ではなく「自分の基地」。
例えば幼児期には、絵本やおもちゃをしまう箱の周りが、たとえリビングの一隅の1mでも「基地」だ。そこから、ランドセルや教科書を置く場所、宿題をする場所――と「基地」はどんどん広がっていく。

小学校入学時に、いきなり子ども部屋をこしらえるよりは、家族の集まる場所近くに、「学習机+α」の空間を作り、まずは様子を見てみたい。都市部で一般的な3LDKのマンションでも、いくつかの間取りが考えられる。

もちろん、個人差はある。独り寝をしたがる幼稚園児もいれば、中・高校生になっても家族と一緒の部屋に居たがる子も。「子どもが独立心をどうやって養っているか見ることです。本人が『一人の部屋がほしい』と言い出すタイミングで、個室を作りましょう。それまでは見守ってあげて」と中村さん。とはいえ、住まいの広さは限られ、子どもの成長に応じて部屋を増やすというのは簡単でない。

そこで中村さんは、天井まで高さがある収納家具の利用を勧める。住宅メーカーが手がける防音効果の高いものから、通販で気軽に購入できそうなものまで様々な種類があるそうだ。個室が要らないうちは壁際につけて、個室が必要になれば真ん中に置いて2部屋に仕切ることができる。

模様替えも、レイアウトを親子で考え、自分たちの体を使ってやると、空間に対する愛着も生まれ、片付けもきちんとできるはず、と中村さん。

「子どもは育った家、家族と一緒に過ごした時間を忘れません」


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